CANDLE CAFE & Laboratory ΔΙΙ

Sandō Compositions
EXHIBITION
Sandō Compositions
神社の境内はその名の通り、「境界」や「領域」を強く意識させる場所である。

神の場所を清めるため、そして自らの心を清めるため、境内は神主や巫女らによって清掃され、整然としたさまが保たれている。しかしその意図に反して、落ち葉が散ったり、砂利が乗り上げたりと、その状態は絶えず変化している。

当初は、偶然性が生み出す構図に惹かれてその様子を観察していたが、次第に参道を舞台に広がるその光景が、まるで世界の縮図のように思えてきた。

これらの写真は、天意と人為がせめぎ合いながら入り混じる境内の様子を、砂利や落ち葉が生み出すコンポジションの豊かさとともに捉えている。
PROFILE
河野幸人
河野幸人
1989年生まれ、石川県金沢市在住。2011年に渡英し、ロンドン芸術大学ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションのファインアート・フォトグラフィー修士課程を修了。社会におけるイメージの機能の探求とその再構築を主なテーマに、河野は今日まで多数のアーティストブックとインスタレーション作品を発表してきた。文学と芸術を異なる地で学んだ彼の作品は、繊細な選択と大胆な偶然性の受容の果てに形成されており、写真の伝統に根差しながらも、ジャンルや時代の垣根を超えた思索に開かれている。2017年には「開かれた書斎」というコンセプトのもと、自身のアトリエ兼ギャラリー&ブックショップのIACKを金沢市にオープン。写真を軸にシームレスに活動する新たな写真家像を模索し、実践する。